Vol.46「他人に対する習慣」と「感情に対する習慣」(永井美雪)
Vol.46「他人に対する習慣」と「感情に対する習慣」(永井美雪)
こんにちは。営業力強化グループの永井美雪です。
研修の中でも、私が特に好きな時間があります。それは研修の最後に参加者の皆さんが、明日からの「行動計画」を決意とともに発表する時間です。
「○○をします!」
「○○でいたいと思います!」
これがもし「研修のためだけに作った行動計画」だったらその場は盛り下がってしまうのでしょうが、「本気でやっていこう!」という熱意が場を変える、その瞬間が好きなのです。
しかしながら、継続を実践するのは難しいものです。そうした際に皆さんにアドバイスさせていただくのが「習慣化」です。それは以前、このブログにも書きましたが改めて説明すると、“自分にとって意味のある変化”を起こしたいときに、「食べた後には歯を磨く」といったような新しい行動習慣を意図的に作る、ということです。具体的には21日間同じ行動を同じ時間に行うと、ほぼ確実に「習慣化」できるそうです。コツは、一度に習慣化するのは1つか2つの行動に限ること。一人でやり続けるのが難しければ、行動完了を報告するパートナーを見つけるといいでしょう。(そうしたパートナーがいることは、コーチングにおいて効果を高める大切なポイントでもあります。その際、パートナーが「相手が達成したい目標」と、「その目標が相手にとってなぜ大切なのか」を理解してくれていることが重要です)。
********************
反面、既に「習慣」になっていることは、意識して習慣化したものでない限り本人にとっては無自覚であることがほとんどです。皆さんは自分にどんな習慣があるかご存知ですか?ちょっとご自身を振り返ってみてください。
どんな答えがでてきましたか?おそらく「爪をかむ」「サプリメントを飲む」「すぐにメモを取る」「暇な時間は携帯をいじる」「ひとりごとを言う」「19:00以降は炭水化物を食べない」「必ず朝食を食べる」「朝5:00におきて自分の時間を作る」など、“行動として現れるもの”が多いのではないでしょうか。

「習慣」には「行動に現れるもの」の他に、「他人に対する習慣」「感情に対する習慣」というものがあります。人は起きている間ずっと、他人に対して、もしくは自分の感情に対して習慣的な反応と体感覚を呼び起こし、それに基づいて何かしらの行動を起こしているのです。
例をひとつ挙げましょう。
営業マネジメント研修、コミュニケーション研修などでよく遭遇する場面です。上司役が部下役をコーチングする演習において、現場におけるリアルな課題をテーマにすると、上司役は部下役の話をほとんど聴けずに自分の話をはじめます。「相手の話を聴く」がテーマであるたった10分間の演習でさえそうなることが多いのです。なぜでしょうか?
まず、「他人に対する習慣」から考えてみましょう。
おそらく、一緒に仕事をしている中で相手の性格や考え方を理解している場合が多いため、「相手はきっとこう考えているのだろう」と先回りして、相手の意見を決め付けてしまいたくなるのです。しかし、相手は本当にそう思っているのでしょうか?また、プレイヤー/上司としての経験値の高さから、さらに多くの場合は善意から、特定の状況に対して特定の行動を取るように“アドバイスという名の強制”をしたくなるのです。自分の考えを聴いてもらえずに、強制されたことをやらなければいけなくなった部下はどう感じるでしょうか?また、そうしたコミュニケーションが二人の間で習慣化された場合、この上司と部下の関係性はどうなっていくのでしょうか?この上司は、部下がかわっても登場人物と舞台を変えて同じような結末のドラマを何度も繰り返すことにはならないでしょうか。
次に「感情に対する習慣」を考えてみます。
よくあるのは、相手の意見が自分と違うので反論したくなる、アドバイスを与えているつもりが、自分の過去の経験や自慢を語りたくなる、また、似たような過去の経験を思い出してそのときの感情がよみがえり、「上司たるもの○○であらねばならない」という立場から自己防衛的になる、といったケースです。
ちなみに、感情は「状態」であり、一瞬一瞬で変化していくものです。面白いことに、“今自分はどんな感情を感じているのか”を知ると、客観的な視点が加わることで「状態」が変わり、結果として行動がかわることがあります。また、感情は「自分が本当に欲しているものは何か」を知るためのすばらしい情報源なので、コーチングのリソースとして活用する場合もありえます。(ただしくれぐれも、感情的になっているときに大きな決断はしないでくださいね)。

世間一般に、怒りや恐れや無気力などネガティブな感情を感じることはよろしくないと考えられがちですが、無視したり排除したりしようとすると、そうした感情はさらに強まっていきます。大事なことは、自分の中で処理するテクニックを持っていることと、よりよい関係・状態を築いていくために、適切な度合いとタイミングと方法で表現することのバランスだと思います。
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私たちは「他人に対する習慣」や「感情に対する習慣」から無意識に反応して行動している場合がほとんどですが、これらに対する自分の反応を知っておくと、「自分は今○○という感情を味わっているんだな」「○○をしたいと思っているんだな」と気づきやすくなります。そうすると、それをやる/やらないといった選択肢が増えるので、自らの意思で選択して行動することができるようになり、その積み重ねが実際の人生の中で変化を生み出していきます。
これはコーチングの場面にかかわらず、他人と接することが多い方には非常に有効な方法で、相手がある状況に陥っているときに対処する方法を見つけやすくなります。相手の話を聴くか聴かないか、相手を決めつけるか決めつけないか、アドバイスをするのか強制するのか、反論するかしないか、自慢するかしないか・・・。今まで習慣的にやっていたことを意識的に行うことができるようになります。また、感情で体の反応が変わることを応用し、体の反応を変えることで感情を変化させることも出来ます。緊張して呼吸が浅くなっているなら意識して深呼吸してリラックスする、体が前かがみ(防衛的)になっているなら背筋を伸ばして自信を取り戻す、場合によってはその場から離れて改めて話し合いの場をもつ、など。
自分の持っている「他人や感情に対する習慣」を変えたいと思った場合、そのコツは「やらなければいけない」「変わらなければいけない」と考えないこと、がんばりすぎないことです。その習慣に気付いた時に「また同じことやっているよ~」と自分を笑い飛ばすくらいの軽い気持ちで、かつ気が向いたらいつもと違う選択肢を選んで行動してみる、程度の適当さで遊んでみることをお勧めします。
参考文献:
「あなたの中のグレムリンを捜せ―こころの怪物を手なずける方法」
(リチャード・D・カーソン著 ロングセラーズ社)
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1年にわたりご愛読いただきました、法人研修部門担当者による「CBLOG」は今回で最終回となります。2010年もサイコム・ブレインズならではの、皆さまのお役に立つようなコンテンツを発信していきたいと思います。どうもありがとうございました。
<vol.46:2009年12月24日 永井 美雪>
-------------- サイコム・ブレインズ株式会社 http://www.cicombrains.com--------------
こんにちは。営業力強化グループの永井美雪です。
研修の中でも、私が特に好きな時間があります。それは研修の最後に参加者の皆さんが、明日からの「行動計画」を決意とともに発表する時間です。
「○○をします!」
「○○でいたいと思います!」
これがもし「研修のためだけに作った行動計画」だったらその場は盛り下がってしまうのでしょうが、「本気でやっていこう!」という熱意が場を変える、その瞬間が好きなのです。
しかしながら、継続を実践するのは難しいものです。そうした際に皆さんにアドバイスさせていただくのが「習慣化」です。それは以前、このブログにも書きましたが改めて説明すると、“自分にとって意味のある変化”を起こしたいときに、「食べた後には歯を磨く」といったような新しい行動習慣を意図的に作る、ということです。具体的には21日間同じ行動を同じ時間に行うと、ほぼ確実に「習慣化」できるそうです。コツは、一度に習慣化するのは1つか2つの行動に限ること。一人でやり続けるのが難しければ、行動完了を報告するパートナーを見つけるといいでしょう。(そうしたパートナーがいることは、コーチングにおいて効果を高める大切なポイントでもあります。その際、パートナーが「相手が達成したい目標」と、「その目標が相手にとってなぜ大切なのか」を理解してくれていることが重要です)。
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反面、既に「習慣」になっていることは、意識して習慣化したものでない限り本人にとっては無自覚であることがほとんどです。皆さんは自分にどんな習慣があるかご存知ですか?ちょっとご自身を振り返ってみてください。
どんな答えがでてきましたか?おそらく「爪をかむ」「サプリメントを飲む」「すぐにメモを取る」「暇な時間は携帯をいじる」「ひとりごとを言う」「19:00以降は炭水化物を食べない」「必ず朝食を食べる」「朝5:00におきて自分の時間を作る」など、“行動として現れるもの”が多いのではないでしょうか。

「習慣」には「行動に現れるもの」の他に、「他人に対する習慣」「感情に対する習慣」というものがあります。人は起きている間ずっと、他人に対して、もしくは自分の感情に対して習慣的な反応と体感覚を呼び起こし、それに基づいて何かしらの行動を起こしているのです。
例をひとつ挙げましょう。
営業マネジメント研修、コミュニケーション研修などでよく遭遇する場面です。上司役が部下役をコーチングする演習において、現場におけるリアルな課題をテーマにすると、上司役は部下役の話をほとんど聴けずに自分の話をはじめます。「相手の話を聴く」がテーマであるたった10分間の演習でさえそうなることが多いのです。なぜでしょうか?
まず、「他人に対する習慣」から考えてみましょう。
おそらく、一緒に仕事をしている中で相手の性格や考え方を理解している場合が多いため、「相手はきっとこう考えているのだろう」と先回りして、相手の意見を決め付けてしまいたくなるのです。しかし、相手は本当にそう思っているのでしょうか?また、プレイヤー/上司としての経験値の高さから、さらに多くの場合は善意から、特定の状況に対して特定の行動を取るように“アドバイスという名の強制”をしたくなるのです。自分の考えを聴いてもらえずに、強制されたことをやらなければいけなくなった部下はどう感じるでしょうか?また、そうしたコミュニケーションが二人の間で習慣化された場合、この上司と部下の関係性はどうなっていくのでしょうか?この上司は、部下がかわっても登場人物と舞台を変えて同じような結末のドラマを何度も繰り返すことにはならないでしょうか。
次に「感情に対する習慣」を考えてみます。
よくあるのは、相手の意見が自分と違うので反論したくなる、アドバイスを与えているつもりが、自分の過去の経験や自慢を語りたくなる、また、似たような過去の経験を思い出してそのときの感情がよみがえり、「上司たるもの○○であらねばならない」という立場から自己防衛的になる、といったケースです。
ちなみに、感情は「状態」であり、一瞬一瞬で変化していくものです。面白いことに、“今自分はどんな感情を感じているのか”を知ると、客観的な視点が加わることで「状態」が変わり、結果として行動がかわることがあります。また、感情は「自分が本当に欲しているものは何か」を知るためのすばらしい情報源なので、コーチングのリソースとして活用する場合もありえます。(ただしくれぐれも、感情的になっているときに大きな決断はしないでくださいね)。

世間一般に、怒りや恐れや無気力などネガティブな感情を感じることはよろしくないと考えられがちですが、無視したり排除したりしようとすると、そうした感情はさらに強まっていきます。大事なことは、自分の中で処理するテクニックを持っていることと、よりよい関係・状態を築いていくために、適切な度合いとタイミングと方法で表現することのバランスだと思います。
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私たちは「他人に対する習慣」や「感情に対する習慣」から無意識に反応して行動している場合がほとんどですが、これらに対する自分の反応を知っておくと、「自分は今○○という感情を味わっているんだな」「○○をしたいと思っているんだな」と気づきやすくなります。そうすると、それをやる/やらないといった選択肢が増えるので、自らの意思で選択して行動することができるようになり、その積み重ねが実際の人生の中で変化を生み出していきます。
これはコーチングの場面にかかわらず、他人と接することが多い方には非常に有効な方法で、相手がある状況に陥っているときに対処する方法を見つけやすくなります。相手の話を聴くか聴かないか、相手を決めつけるか決めつけないか、アドバイスをするのか強制するのか、反論するかしないか、自慢するかしないか・・・。今まで習慣的にやっていたことを意識的に行うことができるようになります。また、感情で体の反応が変わることを応用し、体の反応を変えることで感情を変化させることも出来ます。緊張して呼吸が浅くなっているなら意識して深呼吸してリラックスする、体が前かがみ(防衛的)になっているなら背筋を伸ばして自信を取り戻す、場合によってはその場から離れて改めて話し合いの場をもつ、など。
自分の持っている「他人や感情に対する習慣」を変えたいと思った場合、そのコツは「やらなければいけない」「変わらなければいけない」と考えないこと、がんばりすぎないことです。その習慣に気付いた時に「また同じことやっているよ~」と自分を笑い飛ばすくらいの軽い気持ちで、かつ気が向いたらいつもと違う選択肢を選んで行動してみる、程度の適当さで遊んでみることをお勧めします。
参考文献:
「あなたの中のグレムリンを捜せ―こころの怪物を手なずける方法」
(リチャード・D・カーソン著 ロングセラーズ社)
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1年にわたりご愛読いただきました、法人研修部門担当者による「CBLOG」は今回で最終回となります。2010年もサイコム・ブレインズならではの、皆さまのお役に立つようなコンテンツを発信していきたいと思います。どうもありがとうございました。
<vol.46:2009年12月24日 永井 美雪>
-------------- サイコム・ブレインズ株式会社 http://www.cicombrains.com--------------
# by brains_voice | 2009-12-24 19:07







